爛熟期.頹廢期の江戶文學 : 及附錄索引

목차 (Table of Contents)

• 目次
• 第一篇 時代と環境
• 集一章 江戶文化發達の過程 = 3
• 一. 江戶文化と上方文化 = 3
• 二つの最高峰
• 江戶の文士と上方の文士
• 化政期の文化と元祿期の文化
• 江戶の色彩と調子
• 江戶文化の進展史
• 民衆生活と文學
• 文化の水準
• 二. 京阪文學の勃興 = 7
• 武士時代から町人時代へ
• 大阪市民の經濟的勢力
• 文化の京都
• 經濟中心の時代
• 民衆のための文學
• 平民文學の勃興
• ブルジヨアの聲
• 三. 江戶に於ける民衆の勢力伸張 = 11
• 京阪文學の感化と影響
• 江戶市民の勢力
• 札差の出現
• 俠的精神と町奴
• 化政時代
• 武士生活と町人生活
• 趣味の江戶
• 江戶ツ兒のプライド
• 四. 江戶文化の開花期 = 14
• 享樂機關
• 江戶民衆の特色
• 江戶趣味の成立
• 通と澁味
• 江戶禮讚の文學
• 第二章 文化文政時代の世相 = 16
• 一. 十八大通の出現 = 16
• 江戶文化の最高頂
• 武斷主義の重厭
• 特有のアトマスフィア
• 劇場と花街
• 守成的と尙古的
• 神經過敏式
• 花街の發達
• 町人の天國
• 十八大通の人人
• 大通謳歌
• 曉翁と助六
• 曉翁の風來
• 仲の町
• 名刀の切れ味
• 福の神
• 二. 大口屋曉雨と倂立した大和屋文魚 = 21
• 大和屋文魚
• 쇄落味
• 大盡的氣分
• 藏前風
• 意氣の象徵
• 一種の俠的行爲
• 上方趣味からの解放と獨立
• 三. 花街の繁昌 = 23
• 花街讚美の事情
• 一得一失
• 化政期の遊び振
• 四疊半裡の淺酌
• 船宿の發達
• 深川の全盛
• 町藝者の時代
• 岡場所の繁昌
• 武士の町人化
• 露伴の江戶武士觀
• 四. 歌舞伎趣味の普及 = 26
• 人生の縮圖
• 江戶情調本位の演劇
• 當時の人氣俳優
• 演劇フアン
• 劇畵の發展
• 寫樂のカルケチユア
• 初代豊國
• 似顔繪に於ける大首
• 豊國門下の國政
• 俳優國扇の贊
• 聲色の專門家
• 柳亭種彦と阪東三津五郞
• 五. 新興江戶音樂 = 30
• 上方から輸入した音樂
• 金平節と操人形
• 初代團十郞の荒事
• 大薩摩
• 肥前節
• 河東節と江戶情調
• 義太夫及び豊後節
• 辰松八郞兵衛
• 長唄の發達
• 常盤津と新內
• 淸元節と江戶のロオカル·カラア
• 六. 大名武士の經濟的窮迫 = 34
• 大御所時代
• 經濟難
• 士道と經濟は兩立せず
• 封建制度の本質
• 大名の經濟的減收
• 幕府の態度
• 武士の生活難
• 僞りなき人情
• 武士軟化の事情
• 消極的對策
• 七. 町人階級の生活向上 = 38
• 生の享樂
• 經濟上の餘裕
• 生活向上
• 通人の風俗
• 酒井抱一の服裝
• 婦人の姿態
• 色彩上の澁味
• 藝妓の贅澤振
• 八. 種種の贅澤 = 42
• 江戶人の持物
• 贅を盡した下馱の好み
• 飮食の進步と料理通
• 純粹の酒味
• 菓子の風味
• 通人の食物
• 江戶名物詩
• 住居の贅澤と建築美
• 九. 亨樂の世界 = 44
• 町藝者の擡頭と吉原の不振
• 式亭雜記
• 爲永春水と深川情調
• 水邊に於ける第一流の料享
• 吉原と深川の比較
• 深川を中心とした文學
• 猪牙船
• 船宿の光景
• 花街の中心勢力としての吉原
• 客と遊文の墮落
• 各種の享樂機關
• 町人が武士に反抗した傾向
• 一0. 勞農階級の生活 = 49
• 武士階級の崩壞ヘ
• 西力東漸
• 固定した文化
• 悲慘な農民階級
• 當時のプロレタリア
• 犧牲になつた農民
• 反抗と一揆
• 工業に關係した職人階級
• 生活苦少し
• 江戶ツ兒的特色
• 太平謳歌
• 第三章 文化文政時代の精神生活(上) = 53
• 一. 寬政の改革と思想界 = 53
• 思想は時代に伴ふ
• 愚弄せられた儒者
• 武士の無學
• 時代の移り
• 輕浮な傾向
• 新奇を求むるの風
• 聖人を번弄する口吻を洩した小說
• 行詰つた儒敎
• 松平定信の政治改革
• 文敎統一策
• 異學の禁
• 二. 平民道德敎の勃興 = 57
• 朱子學派の勢力
• その長短
• 學問の自由を束縛す
• 心學の勃興
• 民衆の時代
• 心學の先驅, 石田梅巖の人物
• 心學の意義
• 心學の感化
• 禪家の修養に類す
• 三. 江戶に於ける心學 = 62
• 梅巖門下の人人
• 手島堵庵の講演
• 道德と經濟の調和
• 具體的な儉約說
• 中澤道二と山東京傳
• 巧みなる構造
• 心學の特徵
• 通俗道話
• 町人道の確立
• 日常の修身訓
• 日本的な心持
• 四. 日本學の勃興 = 66
• 日本中心主義
• 支那崇拜の弊
• 新思想運動
• 惺窩と羅山
• 儒學の日本化と神道
• 國學勃興の機運
• 一時衰へた國文學
• 長流と契沖の努力
• 北村季吟の國文學に於ける貢獻
• 戶田茂睡と荷田春滿
• 日本學の創建ヘ
• 五. 賀茂眞淵の日本精神高調 = 70
• 조徠の支那崇拜
• 儒學の行詰り
• 眞淵の任務
• 古代日本文學の闡明
• 儒學排擊
• 日本には固有の道あり
• 無爲自然的傾向
• 六. 本居宣長の日本中心主義 = 73
• 宣長の出現
• 極端な支那崇拜行はる
• 宣長の思想運動
• 宜長をルソオと同視することの不當
• ルソオの自然主義
• 古代理想主義者
• 宣長の自然主義
• 目的論と方法論
• 日本の道
• 七. 宜長が組織した日本哲學 = 77
• 日本特有の國家形態
• 宣長の日本論
• 宣長の見た古代日本
• 自然主義から古代理想主義ヘ
• 純正神道
• 支那の道と日本の道
• 儒學者の妄見を破る
• 日本文化の卓越
• 人情主義
• 八. 思想界の巨星, 平田篤胤 = 81
• 篤胤の活動
• 彼れの宇宙觀
• 宇宙の根本生命
• 彼れの死生觀
• 科學的傾向
• 古道卽神道
• 純粹の根本道德
• 眞の道
• 神道の民衆化
• 第四章 文化文政時代の精神生活(下) = 85
• 一. 日本文化優越論 = 85
• 神道の要旨
• 篤胤の日本觀
• ケンペルの日本讚美
• 西洋文化に通じた篤胤
• 日本は文明上の先覺
• 支那文明は日本人の開拓する所
• 支那は文化上, 日本の後進也
• 儒佛二敎排擊
• 二. 儒佛兩敎に對する辯雜攻擊 = 88
• 學間は何のためにするか
• 日本を中心とせよ
• 自國文化を輕んずる拜外者流
• 孔子が若し日本に生れたらば
• 自國文化を正しく認識する意義
• 不純の神道を一擊す
• 蘭學者非難
• 三. 國學者と儒者の論爭 = 91
• 論壇の偉觀
• 市川匡麻呂の宣長攻擊
• 諸學者の論難一時に起る
• 太宰春臺の支那崇拜と牽强附會說
• 國學派と儒學派に對する批判
• 篤胤の老子に對する共鳴
• 有力なる影響
• 四. 日本主義哲學の影響 = 95
• 日本的思想の基礎
• 新時代の到來
• 篤胤の宗敎的信念
• 勤王精神の勃興
• 思想改革から學術改革へ
• 水戶學派の精神
• 藤田東湖
• 五. 新興經濟思潮 = 98
• 日本中心主義の經濟學
• 海保靑陵の儒者罵倒
• 儒者及び拜外者流の無氣力
• 日本獨自の經濟思潮
• 江戶前半期の情勢と經濟學
• 佐藤信淵の政治經濟觀
• 平田篤胤の影響
• 新しい傾向
• 六. 佐藤信淵の國家社會主義 = 102
• プロレタリアの一人として
• 農民の窮迫
• 信淵の『復古法槪言』の內容
• 商事官營論
• 貧富片落を難ず
• 商人の弊
• 世界の運命を豫言す
• 上下救濟の道
• 一個のユウトピア
• 階級鬪爭の根絶
• 敎化事業と社會政策
• 七. 農民道德と階級思想 = 106
• 二官尊德の農民道
• 彼れの主張
• 經濟と道德
• 封建的階級思想
• 武士と農民
• 商人階級を輕視する傾向
• 四民同位說
• 農民の境遇
• 町人の勢力
• 町人のための文學
• 第五章 近松·西鶴歿後の京阪文學と江戶文學との交涉(上) = 111
• 一. 西鶴歿後の好色不及び敎訓小說 = 111
• 江戶文學と京阪文學との對立
• 京阪文壇の有力者
• 西鶴の影響を受けた作品
• 『浮世榮華一代男』の內容
• 西鶴と敎訓小說との關係
• 月尋堂の『今樣二十四孝』
• 孝道の解釋
• 西鶴を崇拜した北條團水の『子孫大黑柱』
• 靑木鷺氷の『古今勘忍記』
• 二. 事實小說の實現 = 116
• 何故事實小說が生れたか
• 西澤一風と一鳳とは別人
• 一風の作品
• 心中物
• 仇討物
• 都の錦と錦文流
• 都の錦と處女作『元祿曾我物語』
• 女敵物
• 町人物
• 白浪小說
• 三. 怪異小說と支那趣味 = 120
• 支那ロマンスとの交涉
• 了意と松雲は同一人
• 先驅した『奇異雜談集』
• 材を『剪燈新話』に採る
• 了意の번案振
• 『御伽婢子』の價値
• 西鵠の怪異小說
• 材料を供給した『怪談全書』
• 怪異についての評論
• 正德以後の諸作
• 四. 八文字屋物の作家, 江島其적 = 126
• 文學の新領土
• 八文字屋自笑の出版上に於ける成功
• 其적の經歷
• 好色本に於ける新生面
• 傾城の二字を冠した小說
• 『傾城色三味線』の人氣
• その趣向
• 敎訓の形式に好色趣味を加へた『傾城禁短氣』の新工夫
• 粹道の經典
• 江戶文學の影響
• 五. 其적の氣質物 = 131
• 馬琴が推奬した『風流口三味線』
• その內容
• 波瀾曲折ある筋立
• 西鶴の『五人女』と氣質物
• 其적の第一作
• いろいろの癖
• 老人氣質の描寫に成功す
• 氣質物と諸家
• 第六章 近松·西鶴以後の京阪文學と江戶文學との交涉(下) = 136
• 一. 其적が開拓した文學上の領土 = 136
• 其적の佳作
• 『商人軍配團』に於ける新結構
• 黃表紙趣味の『魂膽色遊懷男』
• 興味中心的
• 遙かに群作家を凌ぐ
• 江戶の作家と其적
• 二. 讀本に先驅した近路行者 = 139
• 讀本系統の諸作
• 學者肌の作家
• 岡島冠山の支那文學飜譯
• 岡白駒と支那趣味の人人
• 近路行者の擡頭
• その作品『英草紙』
• 번案の技倆
• その文章
• 『繁野話』の特色
• 三. 建部綾足の『本朝水滸傳』 = 143
• 國文學者の創作熱
• 馬琴と綾足
• 綾足の人物
• 『本朝水滸傳』
• その作品としての價値
• 水滸傳物のいろいろ
• 四. 藝術家肌の上田秋成 = 146
• 新機運に先驅した秋成
• 不遇の人
• 質に於て優秀
• 早く侮り難い才氣を示す
• 『妾形氣』の內容
• 本來の素質
• 『雨月物語』について
• 白峰の一節
• 近路行者と秋成
• 五. 秋成の『雨月物語』 = 151
• 全部殆ど支邦小說の번案
• 語るよりも描く
• 了意と秋成
• 創作同樣
• 『雨月』の內容
• 幻怪を描く巧妙な筆
• 亡靈の凄味
• 六. 群小作家を拔いた秋成の藝術 = 157
• 白峰の出所材料
• 獨自の風味
• 馬琴と秋成
• 劃期的作品
• 『雨月物語』と『春雨物語』
• 歷史小說として非凡
• 篇中の傑作
• 短篇作家としての成功
• 第二篇 笑を基調とした文學
• 第一章 江戶式短詩短文の發達 = 165
• 一. 金平本の流行 = 165
• 江戶文壇初期の情態
• 金平本の勃興
• その作者
• 武人本位の趣味
• グロテスクの내ひ强し
• 主人公金平の人氣
• その衰頹の原因
• 草雙紙の出現と作家
• 二. 江戶の經濟的發展に伴ふ新興文學 = 169
• 先行的光景
• 狂歌·狂文·狂詩·小話などの勃興
• 初期資本主義と江戶の發展
• 商業上の進步
• 札差の由來と職務
• 旗本らの財政難
• 札差の致富
• ブルジヨアの勢力
• 江戶文學起らんとす
• 京傳の氣焰
• 三. 江戶ツ兒氣質の成立 = 175
• 思想的安全瓣
• 大阪商人の所謂「商賣冥利」の觀念
• 江戶市民の不平
• 時勢を諷した落首
• 蜀山人の有名な狂歌と政治的課刺
• 江戶市民と武家的感化
• 地理的影響
• 江戶名物の火事
• 町火消の一團と俠客
• 江戶ツ兒の特徵
• 狂歌と川柳
• 四. 天明期を中心とする狂歌 = 179
• 狂歌の先驅者
• 江戶に於ける狂歌の諸作家
• 狂歌と小說及び浮世繪の文涉
• 狂歌の目的
• 天明調
• 蜀山人の風貌
• 狂歌界に於ける第一人者
• 五. 狂歌界に於ける代表諸家 = 183
• 蜀山人の名吟
• 各方面に於ける注目すべき諸作
• 狂歌集の刊行
• 淸新味を帶ぶ
• 取材の範圍
• 卑俗分子少し
• 六. 狂詩狂文の新趣味 = 188
• 銅脈先生
• 情景生動する狂詩
• 『寐惚先生文集』と銅脈
• 安穴道人の出現
• 才氣縱橫
• 江戶の狂詩壇
• 寐惚先生の諸作
• 狂文と風來山人
• 見るべき價値ある狂文
• 眞の狂味に乏し
• 橫井也有の『うずら衣』に於ける風韻
• 七. 江戶の小話 = 192
• 大衆文學の一種
• 所謂ヲチを取る可笑味
• 小說の狙ひどころ
• その材料
• ベランメイ組
• 一群の小話文學
• 落語中興の祖
• 八. 社會詩·風俗詩としての川柳 = 198
• 俳諧の一方法
• 前句附
• 柄井川柳とその一黨
• 川柳集の刊行
• より多くプロレタリア趣味
• 江戶ツ兒が見た社會
• 大衆的性質
• 小漫畵式
• 通がり
• アラを穿つ
• 九. 川柳の特質 = 202
• 人間の弱點を冷笑す
• 半可通排斥
• 花街に關する川柳
• 江戶ツ兒の意氣
• 歷史に關する川柳
• 皮肉味と辛辣味
• 根强い根據
• 第二章 ナンセンス文學の發達(黃表紙) = 206
• 一. 江戶文學の開幕を告げた黃表紙 = 206
• ナンセンス文學とエロ文學
• 有閑階級の文學
• 獨自無類の民衆文學
• 黃表紙に先驅した戀川春町の『金金先生榮華夢』
• 功利主義の束縛
• 合卷物の出現
• 黃表紙作家たるべき要件
• 『榮華夢』の內容
• 勸懲傾向
• 春町の諷刺的意味
• 『楠無益委記』を模倣した作品
• 少年の讀物から大人の讀物となる
• 春町の失意
• 政治上の現象を諷刺した諸作
• 二. 有力な黃表紙の作家 = 211
• 朋誠堂喜三二
• 春町と喜三二
• 喜三二の佳作『長生見度記』
• 芝全交
• 傑作『大悲千錄本』
• 手を全篇に活用した奇趣向
• 『十四傾城腹之內』と大通趣味
• 全交の着想, 意表に出づ
• 三馬の全交崇拜と模倣のあと
• 三. 徹底ナンセンス主義 = 216
• 黃表紙の中堅作家三人
• 市場通笑の敎訓主義
• 日常生活の穿ち
• 唐來三和の作風
• 繪本位の文學
• 萬象亭の『從夫以來記』の可笑味
• 豫言の偶中
• その他の人人
• 四. 黃表紙の巨匠山東京傳 = 222
• 無類の才人
• 早く時代精神を知る
• 時勢の傾向
• 京傳の前半生
• 京傳の好學
• 最初は畵家志望
• 一人前の放蕩兒
• その出世作
• 『江戶生艶氣樺燒』の好評
• モデル問題
• 五. 京傳の諸名作 = 226
• 艶次郞物の續篇
• 儒敎味を加へた作品
• 婉曲な諷刺を寓した『孔子縞于時藍染』
• ナンセンス式解釋
• 心學當て입みの作品
• 其적の軍配團に暗示を見出す
• 京傳の奇拔な趣向
• 一種のカルケチユア
• 六. 黃表紙の長短と京傳懺悔 = 231
• 繪組についての工夫
• 小話の連續
• 短篇漫畵小說
• 毒氣全くなし
• 輕조の弊
• 作者の懺悔
• 笑への行進開始
• 七. 馬琴その他の黃表紙 = 234
• 馬琴の黃表紙
• 彼れ一流の儒敎主義
• その當り作
• 馬琴の學力について
• 仇敵物をも書く
• 南仙笑楚滿人の作品, 非常に喝來せらる
• 第三草 諷刺好笑本位の大衆文學(滑稽本)(上) = 237
• 一. 大衆的傾向 = 237
• 笑の爆發
• 滑稽本の最初
• 二三の作家
• 風來山人の『風流志道軒傳』に於ける奇想
• 滑稽本の開拓
• 쇄落本と滑稽本
• より大衆的
• プロレタリア式人物多し
• わかり易い可笑味
• 二. 十返舍一九 = 241
• 一九の靑年時代
• その處女作
• 種種の逸話
• 存外神經質な人
• 著作する時の用意
• 好めるは酒と旅
• 强い精力
• 調査に熱中
• 三. 式亭三馬 = 244
• 純粹の江戶ツ兒
• 少年時代
• 古本屋となつて著作
• 敵討物を執筆
• 三馬の奇禍却て彼れに幸ひす
• 人物と性格
• 才子多病
• 非社交性
• 喧譁早い性質
• 一九と三馬及び馬琴の人物比較
• 三馬と狂歌
• 處世に通ず
• 化粧品「江戶の水」の賣出に成功
• 一氣呵成の速筆家
• 四. 膝栗毛の由來 = 249
• 一九の『東海道中膝栗毛』
• その同傾向の作品
• 二十一年間書き續ける
• 東海道の旅行記
• 田舍中心の作品
• 萬象亭の『田舍芝居』に於ける才氣
• 野趣橫溢の『田舍談義』
• 一九の手柄
• 都會中心の作品
• 紀行式小說の流行
• 五. 膝栗毛成功の理由 = 255
• まだ珍しがられた東海道
• 道中に於ける不便
• 意外の大當り
• 文壇の單調を破る
• 作品の豫定
• 一九の苦心
• 熱心な讀者
• 模擬作の續出
• 一躍文壇の人氣者となる
• 六. 一九の苦心 = 259
• 非常な賣行
• 無邪氣な可笑味
• 三馬の笑と一九の笑
• 彌次郞兵衛と北八
• 一九好み
• 愛敬橫溢
• 江戶ッ兒肌
• 地方描寫について
• 旅中の費用
• 各地の方言
• 彌次北の財産調べ
• 七. 單純な可笑味 = 263
• 膝栗毛の缺點
• 面白味淺き弊
• 春日悠悠
• 興味ある箇所
• 五右衛門風呂の失敗
• 第一錯誤
• 釜の底を踏みぬく
• 八. 複雜な可笑味 = 267
• 小話を活用す
• 京都に於ける梯子買の失敗
• 大原女に包圍せらる
• 素人狂言の失敗
• 二百文惜しさの苦笑
• 作者の動き
• 九. 寫生を主とした現實味 = 270
• 夜の田舍道の寫生
• 高價な田樂に驚く
• 膝栗毛の現實味
• 自然美の閑却
• 馬琴の文章に見る如き弊少し
• 一0. 狂言の趣向を借る = 273
• 材料の出所
• 『どぶかつちり』との對照
• 『狐塚』からの換骨脫胎
• 一九の工夫
• 八文字屋物からも材料を採る
• 當時の小說からも取材
• 一一. 趣向工夫の材料 = 276
• 一九が活用した『通物茶話太郞』
• 『川童一代話』と膝栗毛
• 比較的巧みな번案振
• 膝栗毛續篇に用ゐられた材料
• 趣向上行詰る
• 代表的名作には『東海道中』を推す
• 魯文の『西洋膝栗毛』
• 第四章 諷刺好笑本位の大衆文學(滑稽本)(下) = 281
• 一. 三馬の『浮世風呂』 = 281
• 合卷物に先驅
• 出世作『浮世風呂』
• 文學上一九との關係
• 諸家の解釋
• 藤村作氏の意見
• 三馬の影響を受けし作品は諸家の指摘する他にあり
• 京傳に私淑
• 三馬の負惜み
• 偶然性と必然性
• 穿ちと皮肉
• 二. 江戶市民の社交俱樂部 = 285
• 三馬の『浮世風呂』と京傳の『錢湯新話』
• 聰明な方法
• 敎訓主義的口吻
• 江戶人の生活
• 時代の暗響
• 平凡な身邊雜事
• 無脚色, 無結構
• 立川焉馬との關係
• 獨自の工夫を加味
• 篇中の人物はプロ六分にブル四分
• 三. 江戶人と上方人との對照 = 290
• 漫畵式一筆がき
• 異つた二人物の對照
• 個個人の癖とアラを巧みに穿つ
• 上方人の商賣上手
• 江戶人の弱點
• 四. 描寫のうま味 = 295
• 惡口上手
• 彌次北の啖呵
• 純江戶式老人
• 婦人俱樂部の女軍
• 學者に對する反感
• 諷刺銳利
• 五. 三馬の氣質物 = 299
• 巧みに他作家の作品, 趣向を利用す
• 其적の氣質物と三馬
• 甘い其적と鹽辛い三馬
• 銳い觀察
• 漫畵式の小幅
• ジエロルドの『女房氣質』と三馬の『古今百馬鹿』
• 種種の癖を穿つ
• ジエロルドの作者的手腕
• 六. 酒癖についての穿ち = 304
• 三馬得意の作
• 酪酊氣質の人人
• 『一盃綺言』の人人
• 三馬の通有癖
• デイツケンズ初期の作に似たり
• 鯉丈と金鷲
• 第五章 エロチシズム及びナンセンスを母胎とした花街文學(쇄落本) = 308
• 一. 쇄落本の開拓者 = 308
• 쇄落本の國
• 花街中心の文學
• 쇄落本の淵源は上方にあり
• 『傾城禁短氣』は上方式쇄落本
• 上方に於て先驅した酒落本
• 粹な漢學者
• 支那文學のエロチシズム
• 漢學者の粹人化
• 諸家の作った歌曲
• 쇄落本の題名
• 作者は槪ね漢文家
• 二. 通と半可通 = 314
• 花街漫筆
• 傑作の一つに數へらるる『聖遊廓』
• 輕浮の氣味あるところが缺點
• 聖人も先覺者も戱畵化す
• 倫理批評
• 當意卽妙
• 凡手に非ず
• 쇄落本の體裁一定
• 支那めかす風
• 通と牛可通
• 通の經典
• 三. 쇄落本の特色 = 319
• 黃表紙と쇄落本
• 人情本と쇄落本
• 男女の情痴と쇄落本の描き方
• 人情本の感愛中心
• 社會意識の缺乏
• 平凡無事の時代相
• 狹斜的ナンセンス
• 變つた趣向
• 쇄落氣滿滿
• 四 會話の妙趣 = 324
• 作中の人物とその範圍
• プロレタリア優遇
• プロレタリアの描寫
• 野暮の象徵としての田舍者
• 地の文は古典的
• 會話は純江戶式
• 奇句警句の亂發
• 巧妙な會話
• 戀愛帳中の說法
• 五. 쇄落本の第一人者, 山東京傳 = 329
• 蓬萊山人歸橋
• 庸來三和の諸作
• 京傳獨自の領域
• 風變りの쇄落本
• 遊女, 遊客のスケツチ
• 傾城本位から藝妓不位ヘ
• 六. 吉原の變遷 = 332
• 遊女に於ける階級
• 遊女の大衆化
• 高級遊女
• 面倒な慣例
• 畵時の閑散
• 藝妓の擡頭
• 深川に於ける名俠妓
• 吉原以外の別天地
• 七. 京傳の名文 = 335
• 花街生活の體驗
• 京傳の素性についての一說
• 放蕩資本の出所
• 一篇の吉原歲事記
• 文辭쇄脫
• 吉原の風景を生動せしむ
• 八. 京傳獨得のスケツチ = 339
• 京傳と尾崎紅葉
• 二文豪の類似點
• 一種の獨創性
• 太夫道中の考察
• すつぱ拔き
• 銳く半可通のアラを穿つ
• 主要な作品
• 九. 才氣縱橫 = 343
• 쇄落本の類別
• 쇄落本の集大成
• 締めくくりに注意
• 通と半可通の擴大描寫
• 畵龍點睛
• 冒頭執筆の工夫
• 寫生文式の味
• 辰巳情調
• 印象明瞭な筆
• 一0. 半可通に浴びせた嘲笑 = 347
• 通の科學
• 半可通の種種相
• モデルの事
• 巧みに半可通の面目を描く
• 쇄落本作者の慣手段
• 京傳の技倆卓拔せる所以
• 一一. 口說描寫の妙 = 350
• 京傳の頓才
• 戀愛の取引と戰術
• 典型的なタクト
• 雙方の探り合ひ
• 男性の遁辭
• 遊女の口說
• 戀の火花
• 一二. 色道哲學 = 353
• 通の科學者
• 色道學槪論
• 吉原深川及び品川
• 遊女
• 第三篇 道德及び情緖の文學
• 第一章 文學と道德の問題 = 365
• 一. 勸善懲惡主義 = 365
• 江戶カラアの乏しき讀本
• 純藝術味に乏しい傾向
• 小說を勸懲の方便とす
• 馬琴の小說眼
• 敎化第一義
• 讀本が勃興した理由
• 當時の有識階級と文學觀
• 松平定信の文敎統一と朱子學の全盛
• 小說の行詰り
• 讀者の新要求と大衆文學
• 二. 浪漫派的傾向 = 370
• 讀本の意義
• 傳奇小說の要素
• ウオルタア·ベエタアの解釋
• 馬琴の立場
• 京傳の敎訓的口吻
• 學者めに同情
• 中庸の道
• 當時のモダンボオイとモダンガアル
• 遊客への戒め
• 遊女の道
• 寬政改革と쇄落本に對する打擊
• 禁を破つて出版
• 京傳罰せらる
• 一三. 쇄落本から人情本ヘ = 357
• 京傳の作の如く見せた『田舍談義』
• 쇄落本の中堅作家
• 谷峨の『二筋道』
• しんみりした味
• 振鷺亭の諸作
• 三馬の쇄落本三部作
• 京傳を模倣す
• 深川を背景とした三馬的情趣
• 鼻山人の쇄落本に於ける貢獻
• その主要作
• かす風
• 小說と道德
• 三. 濃厚な支那的色彩 = 373
• 讀本作家の浪漫主義
• 支那的色彩强し
• 京傳の『本朝醉菩提』と支那小說
• 怪奇と殘忍の趣味
• 馬琴の支那癖
• 儒敎的敎訓
• 不自然
• 六樹園の小說と支那戱曲
• 昔の支那崇拜は今日の西洋崇拜に同じ
• 四. 眞面目な態度 = 376
• 長籍小說の進步
• 功利的文學觀
• 京傳の假裝的勤懲
• 曲亭式哲學
• 馬琴のイデオロギイとテエゼ
• 『源氏』と『大鏡』
• 『水滸傳』の構圖と描寫
• ゴンクウル兄弟の日記
• 五. 小說作法の原理 = 379
• 組織, 結構についての法則
• 『八犬傳』に於ける場合
• 文外の深意
• 人物の二大對立
• 饗庭황村の批評
• 作者の用意
• 六. 如何に人生, 人間を見るか = 382
• 勸懲主義に囚はる
• 因果律の肯定
• 抽象的槪念
• 善惡應報と人生の實際
• 心性の微妙
• 除外例ある人生
• 假作的人生と人間
• 機械化の弊
• 固定した人間
• 七. 一種の尙古的マンネリズム = 385
• 讀本の文章
• 現實感に乏し
• 類型的筆法
• 生溫い感じ
• 七五調の會話
• 生氣を缺く
• 八. 怪奇偏重 = 387
• 獵奇心
• 怪奇美の創造
• 殺伐極まる異常事
• 京傳の皮相怪奇主義
• 讀者の要求
• 史的考證は一種の方便
• 矛盾せる所あり
• 今日の大衆文學と共通せる弊
• 作家としての立場に同情すべきか
• 馬琴の自信ある態度
• 第二章 道義精神を基礎とした傳奇文學(讀本)(上) = 391
• 一. 京傳の傳奇小說 = 391
• 京傳の本領
• 文學的轉身術
• 彼れの讀本
• 馬琴と前後す
• 『水滸』を忠臣藏の世界ヘ活用
• 『忠臣水滸傳』の結構
• 世評高し
• 傑作『櫻姬全傳曙草紙』の內容
• 斧削の跡歷歷
• 因果律の適用
• 京傳の不眞面目に近き態度と興味本位
• 二. 京傳の新趣向 = 395
• 讀者受けよき『稻妻表紙』
• 芝居に上演
• 謠曲に趣向を借りた忠義小說
• 支那小說に暗示を得た『醉菩提』
• 『雙蝶記』の結構
• 京傳の非凡な才能
• 三. 苦學した曲亭馬琴 = 398
• 文壇の覇權, 馬琴に歸せんとす
• 夙に文學を好む
• 生活上の窮乏
• 京傳に逢ふ
• 京傳に勸められて代作
• 漸く行狀を謹む
• 四. 馬琴の人物とその生活 = 400
• 書肆조重のもとに寄寓
• 新進作家の列に入る
• 伊勢屋に入壻
• 俗事多忙
• 機を見て著作に專心
• 勸懲に志した頃
• 馬琴が大名を馳せた所以
• 無限の精力
• 剛腹不遜
• ブツキラ棒式
• 交友に乏し
• 五. 馬琴の精神生活 = 403
• 馬琴の長所
• 彼れの合卷物
• 文學生涯の區分
• 馬琴に對する非難
• 魯庵の馬琴論
• 馬琴の同情者
• 彼れの思想を理解するの必要あり
• 思想家らしきおもかげ
• その前半生
• 脫線せんとした時代
• 時勢一轉
• 六. 馬琴の政治的ユウトピア = 407
• 品行方正
• 最初の作品
• 思想上の展開
• 儒敎から出發したユウトピア
• 治國平天下の理想
• 『八犬傳』に於ける政治的ユウトピア
• 里見義實の王道主義と新建國
• 仁義の軍
• 民は國家の大本
• 大義名分と明かにす
• 一種の理想小說
• 七. 馬琴の人生觀及び人間觀 = 411
• 馬琴の自敍傳
• 學問該博
• 雜駁な傾向
• 國學精神の影響
• 儒敎本位
• 善の勝利を信ず
• 孔子の精神
• 善の實現としての人生
• 人間は悉く性善
• 因果律の三世一貫
• 神秘力の存在
• 善惡直ちに應報
• 『八犬傳』に於ける場合
• 勸懲主義の成立
• 八. 勤王愛國の精神 = 416
• 怪力亂神を語る
• 人間の禍福を支配する神秘力
• 馬琴の迷信的傾向
• 勤王愛國の心
• 幕府に對する感想
• 時代の新傾向
• 思想上の經過
• 獨創味乏し
• 武士階級の代辯者
• 武士道の頹廢を防がんとす
• 第三章 道義精神を基礎とした傳書文學(讀本)(中) = 422
• 一. 讀本に於ける欠陷 = 422
• 勸懲に對する理解の要
• 情的要素の缺乏
• 義理一方に傾く
• 不自然味多し
• 偶然の出來事を濫用
• 小供だましの慣用手段
• 道德の說敎
• 馬琴の代表作
• 二. 馬琴の出世作 = 425
• 作家としての生涯
• 作品の種類
• 獨自の解釋を下した史上の人物
• 歷史及び傳說より材料を得しもの多し
• 戱曲より取材せるものも少からず
• その分類
• 三. 出世作『弓張月』 = 428
• 第二期の作品
• 謎の人物としての爲朝
• 材料蒐集の苦心
• 役立つた雜學知識
• 新奇な南國の天地
• 史上の源爲朝
• その結構
• 一旦局を結ぶ
• 更に續篇起稿
• うるさい小道具立
• 長篇說話の構成力
• 文章に於ける爽快味
• 人物の配合
• 全體の統一
• 光明と希望とを與へる小說
• 四. 世話物式佳作 = 434
• 道義的規制
• 心中物に對する新解釋
• 男女の理想化
• 不孝者の美化と善化に力む
• 世話物式作品に於ける自然味
• 馬琴の探偵小說
• 誇張の弊少し
• 五. 馬琴の探偵小說的な作品 = 436
• 馬琴の『靑砥藤綱摸稜案』の內容
• 珍事出來
• 主人公の善因善果
• 馬琴の民政觀
• 治道の要
• 善人惡人の言行對照
• 六. 馬琴の文章 = 439
• 巧妙な敍事
• 『弓張月』の文章
• 朗かな調子
• 島の爲朝
• その爽快極まる態度
• 蠻民を驚かす
• 光景躍動
• 七. 支那小說戱曲の知識 = 442
• 文學的發展の第一道標
• 支那小說との交涉
• 支那文學に傾倒
• 小說構成の骨法を會得
• 讀書好き
• 趣向を支那小說に借る
• その實例
• 一種の번案
• 『水滸』『西遊記』の解釋
• 八. 馬琴の自家辯護 = 446
• 支那流の怪奇濫用
• 讀者からの非難
• 怪談鬼語を何故用ひるか
• 勸懲の一方便
• 二三の錯誤
• 案外に喜ぶ讀者も亦多し
• 快い刺戟として受容れられたりしか
• 九. 外人の見た馬琴 = 449
• 英人アストンの馬琴論
• 長短兩面について擧示
• 人情の機微を閑却す
• 過去に葬らるべき傾向
• 結構及び構想の雄大と豊富
• 第四章 道義精神を基礎とした傳奇文學(讀本)(下) = 451
• 一. 馬琴の小說論 = 451
• 第三期に於ける代表作
• 大作『八犬傳』
• 馬琴は何故に小說を書くか
• 小說史的考察
• 旣成小說に對する不滿
• 小說の最大目的
• 馬琴の自重
• 勸懲の大施を번す所以
• 人生を規制する大道
• 方使に用ふる情生活の展開
• 馬琴の本意別にあり
• 二. 馬琴の周到な用意 = 454
• 小說の結構について
• 種種の苦心
• 新機軸を出す
• 有意義な點
• 『八犬傳』の缺點
• 部分的に優れた點
• 三. 『八犬傳』槪觀 = 457
• 『八犬傳』の發端
• 八犬士の出現
• 犬塚信乃の生ひ立ち
• 濱路とのロマンス
• 犬山道節の火定の術
• 一波一瀾湧起す
• 四. 八犬士の離合集散 = 460
• 曲折變化に富む場面
• 劇的色彩
• 女裝した勇士毛野の活躍
• 妖猫退治
• 犬塚信乃と美女濱路の後身
• 四犬士の劃策
• 五. 八犬士出世, 一堂に會す = 463
• 犬塚毛野の變裝
• 犬塚親兵衛, 里見義實の危難を救ふ
• 妖尼妙椿の出沒
• 義實の勝利
• 八犬士悉く義實に仕ふ
• 勤王の誠意を表す
• 六. 『八犬傳』の興味ある場面 = 466
• 孝の象徵
• 智の象徵
• 忠の象徵
• 浪漫趣味多き場面
• 一つの繪模樣
• 『八犬傳』の人物地圖
• 二十八年續けた大長篇
• 馬琴一流の哲學を寓す
• 親切な作者の用意
• 芳流閣上の大格鬪を描いた一節
• 七. 傑作『美少年錄』について = 470
• 異色を帶びた作品
• 讀本の行詰り
• 境遇が人物を支配する經路
• 『美少年錄』に描かれた美男美女
• 佳人薄倖
• 惡化しゆく少年描寫の上に於ける成功
• 八. 晩年の雄篇『俠客傳』 = 474
• 勸王小說
• 支那小說『女仙外史』に暗示を見出す
• 楠姑摩姬の俠勇
• 南朝の遺臣
• 野上著演の義俠
• 南朝復興に志す姑摩姬
• 足利義滿を襲ふ
• 老練な馬琴の描寫
• 九. 英雄小說『朝夷巡島記』 = 478
• 困難な材料を取扱ふ
• 鎌倉時代の隱微
• 氣乘りせぬ馬琴
• 統一を缺く
• 朝夷義秀の一生
• 彼れをめぐる二傑物
• 義秀の義俠的行爲
• 怪奇荒唐のあと少し
• 一0. 讀本作家としての六樹園 = 482
• 功成り名遂げた馬琴
• 小說家として割合に知られぬ六樹園
• 學者として知らる
• 支那小說を譯す
• アマテイユアとしての彼れ
• その二佳作
• 素直な感じ
• 誇張少き描寫
• 自然味
• 支那小說から取材
• 六樹園以外の人人
• 第五章 歌舞伎趣味を反映したロマンス(合卷物) = 487
• 一. 柳亭種彦の閱歷 = 487
• 一種の變態小說
• 馬琴が合卷物を得意とせぬ理由
• 合卷物の書き方
• 慊らぬ點
• 種彦の生活
• 最初は讀本を執筆
• 反響なきに失望
• 種彦の一轉步
• 京傳の合卷物
• 歌舞伎趣味を中心に
• 『田舍源氏』の執筆
• 情熱に乏し
• 二. 『田舍源氏』が歡迎された理由 = 491
• 紫式部の『源氏物語』と種彦の『田舍源氏』
• 上品な種彦好み
• 馬琴の『傾城水滸傳』に對抗
• 『源氏』硏究
• 周到な結構
• 大體の構圖
• 馬琴の『田舍源氏』評
• 優雅な筆致
• 三. 『田舍源氏』の槪觀 = 494
• 足利光氏
• 種種の情事
• 忠義のための享樂生活
• 光氏の謀略
• 彼れに對する讒訴
• 須磨に隱退す
• 四. 足利光氏の後半生 = 498
• 光氏京に歸る
• 新たに展開せられゆくロマンス
• 光氏と黃昏との間に出來た愛娘
• 美女玉葛を中心とした戀の繪卷
• 賤機の嫉妬を描いた遺篇
• 天保改革と種彦の文學上に於ける打擊
• 五. 光氏の生活態度についての非難 = 501
• 武士的精神
• 一種の矛盾
• 芝居めいた色彩
• 足利時代と平安時代との不調和な點
• 武士道の形式主義
• 不可解な光氏の行動
• 美名の下に愛慾に耽る
• 虛僞の風
• 女性の盲從的傾向
• 眞實味を缺く
• 六. 種彦の正本製 = 505
• 觀劇の實感性を再現する趣向
• 歌舞伐趣味の橫溢
• 種彦の柄に合つた作品
• 窮屈のあとなし
• 手に入つた技巧
• 勸懲主義の弊
• 正本製の作例
• 七. 『耶鄲諸國物語』の內容 = 512
• 技巧の圓熟
• 淨瑠璃本から取材
• 『近江の卷』の內容
• 『大和』, 『播磨』の卷と大近松の影響
• 쟁三郞とお笹の戀
• 近松の『쟁の權三』と同一題材を取扱ふ
• 圓滿な終局
• その他注目すべき種彦の作品
• 佳作『六枚屛風』の蘭譯
• 學者としての風格
• 種彦の特徵
• 合卷物の中堅作家と代表作
• 第六章 江戶情調に彩られた戀愛文學(人情本) = 516
• 一. 人情本の特質 = 516
• エロチックな色と抒情的な模樣
• 人情本の意味
• 人情本の由來
• 人情本の價値
• その使命
• 頹廢期の世相反映
• 江戶市民の理想
• 作中の主人公と特質
• 一夫多妻主義
• 女性のあきらめ
• 戀愛に於ける妥協
• 二. 人情本の時代と春水 = 522
• 人情本の作者
• 讀者は槪ね婦女子
• 人生的意義に乏し
• 情痴の世界
• 行詰つた讀本に取つて代る
• 爲永春水の閱歷
• 賣名に焦慮して失敗
• 三. 爲永春水の人物及び作品 = 525
• 漸く世に認めらる
• 佳作『婦女今川』
• 代作と補作
• 天性の人情本作家
• 情痴の世界に通ず
• 彼れの無學
• 馬琴の衒學
• 京山の學者的氣質
• 春水の無學は却て彼れに幸ひせるが如し
• 四. 人情本に先驅した東里山人 = 529
• 人情本の長所
• 쇄落本作家として人情味多き小說を書いた東里山人(鼻山人)
• 彼れの傑作『廓宇久爲壽』に於ける泌泌した味
• 人情本のタイプを創始す
• 梅川忠兵衛の情事を描いた結構
• 人情本に於ける東里山人の活動と收獲
• 春水のために地盤を開拓せし功努
• 五. 人情本の進展 = 533
• 春水の寫實主義
• その現實味
• 誼本以外に新領地を開く
• 人情本の着眼點
• 女子は如何にすれば男性に愛せられるかといふ問題
• 柔順な女性の群
• 男性に反抗する女
• 槪して誠實
• 三角關係の實例
• 四角關係の實例
• 姉妹が戀した一人の美男
• 義理と人情との葛藤
• 戀の行進曲に於ける一波一瀾
• 六. 人情本の背景と人物 = 535
• 現實の江戶
• 日常の些事
• 下町方面を主として背景に取入れる
• 江戶市內及び市外の描寫
• 深夜の深川
• 兩國廣小路の寫生
• 女王の如く輝く俠妓名妓
• 春水が描いた歌妓仇吉, 米八
• 地方の歌妓
• 遊女のおもかげ
• 江戶の年中行事
• 緣日の光景
• 平凡人の平凡生活
• 非英雄主義の戀と人
• 七. 『娘節用』から『梅ごよみ』へ = 540
• 曲山人の閱歷
• 有名な『娘節用』の材料
• 武家から出た美妓小さんの悲痛な生
• 悲劇的情趣に依て讀者を魅す
• 同樣の材料を表現した戱曲二三
• 描寫無難
• 偶然の利用
• 春水の『婦女今川』の內容
• 女主人公お繁
• 春水一流の書き方
• 作家生活の本道
• 春水が私淑した文壇の先輩
• 京傳, 三馬に負ふ所多し
• 京傳の『梅花氷烈』と『梅ごよみ』の關係
• 八. 人情本に於ける描寫 = 545
• 春水の人情本に於ける長所
• 『梅ごよみ』の內容
• 本系の男女ロマンスと傍系の男女ロマンス
• 쇄落本に見出され得ぬ戀の殉情
• 美男丹次郞を中心として戀の渦卷
• 米八と仇吉の戀愛戰術
• 彼の女らの懊惱苦悶
• 應急的構想
• 本系と傍系との連絡
• 會話に於ける妙味
• 迫眞の致あり
• 九. 處女の戀及び俠妓の戀 = 552
• 一脈の抒情味
• 純眞な處女の戀を描いて美しい場面を作る
• 印象深い米八と仇吉
• 理想の深川藝者
• 互ゐに意氣を競ふ眞劍味
• 江戶式氣前の活躍
• 一0. 春水の苦心とその二三の短所 = 554
• 女性的な春水
• 流行衣裳の細かい描寫
• 紅葉氏と露伴氏が時勢粧に對する態度
• 春水がマンネリズムに囚はれた地の文
• 類型的男女
• 偶然の濫用
• 度度夢を作中に用ふ
• 餘りに卑下した春水
• 自家吹聽
• 甘く見過ぎた人生
• 一一. 晩年の春水 = 558
• すばらしい春水の人氣
• 天保の改革が春水に與へた打擊
• 春水の歿年
• 彼れの勸懲的作品
• 『梅ごよみ』以外に於ける彼れの傑作
• 若旦那鳥雅とお民のロマンス
• 花曉と小間使お冬のロマンス
• 初戀の妙趣を描く
• 口說描寫の技巧に長ず
• ブルジヨア氣分濃厚
• 春水の門下から出た松亭金水とその代表作品
• 附錄
• 笑の文學に現はれたテカダン生活 = 563
• 諷刺文學としての『夢想兵衛』『和莊兵衛』と『ガリバア旅行記』 = 602
• 參考書目 = 639
• 索引篇
• 人名索引 = 649
• 書名索引 = 657
• 事項索引 = 667