金融危機後の金融規制

다국어 초록 (Multilingual Abstract)

今般の金融危機を受けて、金融規制に関する様々な議論․研究が行われ、国際機関や各国政府によって様々な施策が実施・提案されている。本稿では、まず、銀行、証券会社、格付機関、監督当局といった各プレーヤーについて、どのような点に問題があったのかを検討する。具体的には、銀行による投資の規制の必要性、証券会社に対する規制の強化、格付機関に対する規制や格付機関の責任に関する議論への疑問等が論じられる。そのうえで、今後の金融規制の目指すべきアプローチについて、金融取引が社会にとって利益をもたらすためには「節度」「節操」が重要であり、本来は金融機関等が自ら節度ある取引を行うことが望ましいが、金融機関が節度ある取引を実現することができないならば、監督当局が十分な裁量をもって節度ある取引の実現のために監督権限を行使すべきであるとの考え方が示される。そのうえで、自己資本比率規制等の幾つかの事項について、若干の検討を行う。よりよい金融規制が行われるためには、監督当局の能力に依存する部分も大きい。そういった観点からは、監督当局と金融機関の人材交流を含めた相互の対話・協力が重要である。

참고문헌 (Reference)

• 1 座談会, "金融監督・検査のあり方" 124 (124): 2009
• 2 大村敬一, "金融再生危機の本質" 日本経済出版社 2007
• 3 翁百合, "経済教室　議論深まる世界の金融規制․監督改革 日本経済新聞2009年6月30日朝刊"
• 4 清水啓典, "経済教室　BIS規制は撤廃を"
• 5 松尾直彦, "米金融規制改革が日本に及ぼす影響" (36) : 2009
• 6 森下哲朗, "国際的な銀行破綻処理と預金保険制度" 9 (9): 2008
• 7 コフィー․ジュニア, "何が問題だったのか－2008年金融危機に関する検証" 896 (896): 2009
• 8 谷澤満, "三國谷勝範․金融庁長官に聞く" (12) : 2009
• 9 佐藤隆文, "バーゼルⅡと銀行監督" 東洋経済新報社 2007
• 10 谷澤満, "『自己資本の質』強化論議に立ち向かう視点(上)" 12 (12): 2009
• 11 "The Turner Review, A regulatory response to the global banking crisis" 2009
• 12 Yale Law School, "The Future of Financial Regulation"
• 13 Luca Enriques, "Regulators’ response to the current crisis and the upcoming reregulation of financial markets: One reluctant regulator’s view" 30 : 1147-, 2009
• 14 Philip Wood, "Regulation of International Finance" Sweet & Maxwell 2007
• 15 "HM Treasury, Reforming Financial Markets" 2009
• 16 "G20 Working Group 1: Enhancing Sound Regulation and Strengthening Transparency, Final Report" 2009
• 17 "Financial Regulatory Reform, A New Foundation: Rebuilding Financial Supervision and Regulation" 2009
• 18 George Walker, "Credit Crisis, Bretton Woods II and a new global response: pt 2" 77 : 2009